詰み

今日は冷たい雨の中、建築工事の警備員として、一日中立っていた。
会社支給の中国製のカッパは、
雨をスポンジのように吸い込み、
濡れて、寒い。指先が冷たくて痛い。

早く終わらないかなぁ と思いながら、
立っていた。
8時から17時まで、8時間労働。
途中の昼休み1時間は、労働時間に
入らない❗ 8時間労働9時間拘束だそうだ。

拘束時間は労働時間だろ❗❗❗
 
一緒に仕事をした、 加藤さんは
もう30年以上、この会社で警備員を
しているそうだ。
62歳だという。             だって私達警備員は
準社員だから、厚生年金ないし、退職金ないし、
加藤さん、家族もないし、
家、アパートだし。

それ、詰んでない?

どうして、小さな会社でいいから
せめて厚生年金入れてくれる会社だったら、
もしかしたら、これからの老後、もう少し
楽に暮らせたのに。

雨に震えて、そんな事考えていた。

私も62歳だ。若い頃、違う会社で、
働いていたから、ちょっとだけど
厚生年金もらえそうだし、
家族もいるので、少しは、なんとかなりそうだ。

けれど、こーんな人生、私の人生じゃない!

冬の雨の中、真夏の日差しの中、
9時間も拘束されて立っているのは、
いくら、1日、12000円貰っても
そんなのは、
私じゃない!

プログラマーになって、
空調のきいた部屋で
側に薔薇と紅茶を置いて、
仕事をする。